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   長江三峡の旅  2
 
                                      別府 威徳
 
5月10日(金) 第二日目
 8:55 専用バスで西安郊外観光。
 
 その後高速道路を東に走り臨潼(リントウ)区にはいると壮大な始皇帝陵が現れる。前回訪れた際は、埃を巻き上げでこぼこ道を、まわりの作るとも壊すとも見える農家の点在する寒村を通ったが、西安市に組み込まれ国道も整備され街路樹が並び、紫の花が帯になって咲き乱れている。「観光客は大体秦始皇帝陵、兵馬俑博物館,華清池をあわただしく見学日帰りで往復する。もったいないことです。」ガイドさんの説明。   「始皇帝は1千5百メートルほどの驪山の山並みに惹かれた。現在スイス製のロープウエイで山頂まで上ると始皇帝陵、兵馬俑博物館を遠望できる。この山は死者を埋葬する山ではなく、古代より温泉の湧く遊覧地であった。唐代の玄宗が楊貴妃と遊んだ華清池の温泉は近年発掘を完了。この遺構の下には始皇帝時代の遺構もあった。ここは真夏でも涼しい避暑地で、機関の療養施設もある・・・・・・・」と紹介。
 
 
 「絶世の美女」「傾城の美女」の賛辞を受け、白居易の「長恨歌」で余りにも有名。「長恨」とはいつまでも尽きない恋情のこと、「漢皇重色思傾国」はで出しの一行。漢の国の皇帝は色好み、国をなげうっても恋したい美女になかなか恵まれない。ところが遥か南の蜀州(四川省)楊家の深窓に玉環という名の娘がいて、皇帝のおそばに召し出されることになる。後宮には国中の美女が集められていた。楊家の娘が眸をめぐらして微笑むと集められていた美女たちは顔色を失った。まだ春寒い日皇帝から長安郊外の離宮に特別の浴室を賜った。華清池である。「温泉水滑洗凝脂」、皇帝の寵愛を一身に受けることになった。「長恨歌」は延々と続くが盛者必衰の理のとおり、歌舞に明け暮れた美女も「宛転蛾眉馬前死」となる。詩はまだまだ続いて佳境に入る。李の花を見ては涙し、修験道士に楊貴妃の魂を探させる。太真なる仙女がいるときいて訪ね再会した。「天にあっては比翼の鳥、地にあっては連理の枝となろう」ささやいたとか・・・・・。      賜った浴室は河上君の旅行記を参照あれ。「長恨歌」は高校の漢文の老教師に習ったが、先生の名前は覚えていない。気分を出して朗読されたのを思い出す。一巡して華清池も公園として整備されている印象を受けた。飛霜殿壁画(楊貴妃は第2夫人として表現)が記憶に残る。(写真は華清池全景と楊貴妃像前の奥さん)
 
 
華清池を後に、兵馬俑博物館へ。「・・・・・・1974年農民楊さんによって発見された。井戸を掘っていたとき偶然いくつかの陶片を掘り当てた。考古学者の度重なる調査で大型の俑坑と解った。現在1234号まで確認され発掘が進んでいる。1号は右軍、2号は左軍、三号は指揮軍、号は中軍という軍隊編成の体系で配置されている。
 地下5メートルに地下道を堀り埴輪を並べ柱を立て横木を載せその上にアンペラ様の覆いをし黄土をかぶせて密封した。遠いいにしえの事である。兵士、馬、戦車、老練な指揮官は総勢8千体になる。車輪のスポークは陰暦の数にあわせ精巧なものであった。・・・・・・・・」ガイドさんの話に聞き入ってしまった。
 
 
かっては写真を撮るなど考えられなかったが、場内いたるところでフラッユがとび、恐る恐る数枚写真を撮った。上掲は1号室とケースの中の兵士。
 
2時間遅れ(「飛行機は遅れないのが不思議」とガイドさんの説明もあった。)で飛び立ったWH2403で重慶へ。1時間あまりのフライトで空港上空へ。長江両岸のおびただしい色とりどりの灯り、誘導灯、嘉陵江大橋のライトか、それとも長江大橋か、とにかく灯りの多い町に差し掛かる。90万ドルの夜景と何かで聞いたような気もして(中野君の旅行記であった、)、でも空港は暗く静かであった。長江大橋をわたりおびただしい光の渦の中をターンして市内に返り、夕食のレストランへ。
 重慶火鍋である。辛さで有名な四川料理、特徴は麻(山椒のからさ)、ラー(唐辛子のからさ),あつさ、鮮うまさ)、脆(歯切れのよさ)、嫩(やわらかさ)の混ざった味。農夫や漁師が好んだ。白酒で食べる火ナベは有名人が食べて重慶の名物になった(ガイドブックより)。辛口に強い僕にとって辛さはさほどないにしても、肉にめのない僕でも、次々出てくる肉がすべて見覚えのないのにはこまった。味は油濃くなく淡白。
浸足浴は中野君の旅行記に面白おかしく紹介されていて、興味をそそられたが実行には至らなかった。美容促進、強腎効果、解毒消脂効果とあり・・・・・・浸足により体内の血行をよくし皮膚内部の分泌機能を活発にし、三高(高血圧,高糖尿、高脂血の治癒)に効果、脳機能を休め精神を安定させ、不純物排出、肥満防止に効能あり、美容促進に人気・・・・・・・・・・。重慶の女性のスリムさのわけがわかったような気がする。(5月11日、重慶人民会議場広場の朝・太極拳を楽しむ女性たち
 
 
    続く
 



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