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   長江三峡の旅
                                        別府 威徳
 
 
 今回の中国旅行は正しく書くと「後藤純男先生と行く西安美術学院と三狭クルーズ7日間の旅」・・・2,002年5月9日(木)から5月15日(水)・・・である。後藤純男先生(埼玉県在住の日本画家)の西安美術学院の教授就任、日本画教室開講を記念しての企画である。
 参加者は後藤先生の仕事に関わる方同級生親戚鹿児島からの我々9名と旅行者の方で総勢50名。十五代沈寿官、城間夫妻、松村・宮田姉妹、空港ギャラリーの相談役遠矢さん、大阪の画廊の主人辻野さん、私たち夫婦が全行程でテーブルをともにすることになる。
 
 大雑把に行程を書くと、
5月9日(木)東京成田発9:50JD867
       空路、西安へ(所要4時間30分)
       市内観光   鐘楼、碑林、長安城入城、城壁散策、長安風味宴と唐歌舞ショウ                                                    
       グランドキャスルホテル泊    
5月10日(金)西安郊外へ西安美術学院後藤教室見学
       兵馬傭(1,2,3抗、銅馬車)華清池、秦始皇帝陵
       16:00WH2403空路にて重慶へ重慶着後長江大橋
       夕食は重慶火鍋  重慶マリオット泊
5月11日(土)重慶8:00発総統1号にて三狭クルーズへ、豊都(鬼城見学)〜17:00万県泊
       夜船長主催パーティ  船中泊
5月12日(日)クルーズ 瞿塘狭通過、白帝城通過、巫狭通過、神農渓遊覧(13:00から      17:00)
       船中泊
5月13日(月)クルーズ、西陵狭通過
       宜昌着下船専用バスで武漢へ、途中沙市観光(荊州博物館、荊州古城)
       武漢着東方大酒店泊
5月14日(火)専用バスで武漢市内観光(黄鶴楼、湖北博物館)
       空路国内線で上海へ 上海ヒルトンホテル泊
5月15日(水)上海市内 豫園、上海老街
       帰路上海発14:35JD888で(所要2時間45分)
       入国手続き後解散
 
 
  歴史と文化の宝庫陝西省へ
 
中国旅行の報告に入るに当たり、陝西省旅遊局による西安・陝西省の紹介文(人民中国・2002・5発行、66ページ)を紹介しよう。
・・・・・・・・中国内陸部の陝西省は、黄河の中流に位置し、古代の中国文化の発祥の地である。面積20万5千6百平方キロ,人口3千6百万人。省都の西安は世界でも有名なシルクロードの出発点で、ローマ・カイロ・アテネと並び「世界の4大古都」と称されている。
 中華民族5千年の歴史で、周、秦、官、唐など13の王朝の都が陝西省に置かれ、その歴史は合わせて千年余りにもなる悠久の歴史と輝かしい文化により、さまざまな人類の至宝が今に残されている。
 陝西省はかねてより「中国の天然の歴史博物館」と呼ばれる。ここには、「世界の8大奇跡」のひとつ秦の始皇帝の「兵馬傭」をはじめ、中国史上唯一の女帝・則天武后の陵墓「乾陵」、仏教寺院「法門寺」、中国に現存する最大の古代城壁「西安城壁」、中国最大の石碑による書庫「西安碑林」、皇室の庭園「華清池」、険しい奇峰が聳える「華山」、中国第2の大瀑布「黄河壺口瀑布」、雄大な「黄土高原」、トキやパンダ、金糸猴の生息する「自然保護区」、躍動あふれる「安塞腰鼓」、純朴で独特な戯曲「秦腔」、農民画、切り絵、泥人形、影絵芝居、花火など、観光の宝庫である。
 陝西省は西安を中心に放射状に古都観光コース、シルクロードコース、南へ三国遺跡コース、北へ黄土民族コースを設けた。
 これに加えて11のスポットを設けた。西安(古都の旅)、宝鶏(青銅器の旅)、カン陽(探検のたび)、銅川(耀瓷の旅)、渭南(西岳の旅)、寒中(古三国の旅)、楡林(辺境要塞の旅)・・・・・などである。
 さらに観光内容を豊かにし多くの人を誘致するために自ら体験できる書法観光コース、宗教観光コース、青少年修学旅行コース、漢方保健の旅、古都西安・入城式典、遣唐使・長安の旅、農家楽園の旅と全方位の観光を取り揃えている。・・・・・・・・・・・・・・
 
 「人民中国」の長文をあえて取り上げたのは、陝西省の懐の深さと全体像を浮き彫りにできるように思えたからである。陝西省の当局の意気込みが伝わってくる。
 
 
5月9日(木)
東京・成田発9時50分JD867機で空路西安へ。所要時間4時間35分。「富士を左に、・・・石川、韓国上空、12時・・・分ごろ大連上空を通過、黄河に沿って遡上、今日の西安の気温16度から20度、曇り。」と機長のアナウンスを聞く。数日前の大連沖での中国航空旅客機事故を思い出し見えるはずもない地上に目をやった。輝く雲の海が広がっているだけである。
13時着陸態勢に入った機窓からは縦横に走るなナンキンハゼの並木に収穫まぢかの麦・菜種が一面に広がり農家らしき集落が点在している景色がみえ,墳墓らしき形に見とれ旅の期待に胸躍らせているうちに着陸。一通りの入国手続きを経て西安のひととなる。
 
 
空港を後に一路西安市街地へ。ガイドは楊さん妙齢のお嬢さん楊貴妃の時代の美意識と違い面長の現代感覚の容貌。ドライバーは張さん。楊さんは後ほど解ったことだが、陝西省外事部服務中心と名刺にあり、陝西省の外交関係の仕事に就いている職員である。陝西省・西安2日間のガイドを務めてもらいことになる。
車は右側通行であり怪我しても本人の責任、物売りには必要がなければ「不要」とはっきり断る、水は飲めない、通貨の元と円のことなどや、陝西省・西安の歴史文物について説明を神妙に聞いているうちに市街地に。
 
 
 
車窓から鐘楼を眺め城門を見上げ(前掲の写真)る。城壁とその上に聳える大きな楼閣は明清時代の西安府城の箭楼で、城壁は高さ12メートル、楼閣は30メートルとガイドの説明。このように防衛・治安・軍事のための城壁都市は日本列島の歴史には見られない。碑林ヘまわってさらに入城のため訪ねることになる。
 
碑林は正式名称「西安碑林博物館」といい、陳列室7、碑楼6、碑閣8、延べ4千u。碑と墓誌2千点、中国の書の宝庫。「走馬看花」(ざっと見る)だけでも半日はかかるという。書に造詣の深い方には勿体無いところだろう。儒学の根幹「孝経」を唐の玄宗皇帝が書いた隷書、唐中興の忠臣顔真卿の力を内に秘めた「顔氏家廟碑」,王義之の行書の典範「集王聖教序碑」など、聞き覚えの物もあって興味をそそられる。運良く拓本をとっている熟練工の手仕事を見ることがができた。手振り手まねで紙やインクにさわり、職人にとってはさぞかし迷惑であったろうと思うことであった。前回ここを訪れた際回廊で葡萄の墨絵を求め、その際は高く買いすぎたと反省したが、額装して見るとなかなかいいものである。今回はそれに匹敵する作品に出会えない。
 
遣唐使阿倍仲麻呂の「天の原ふりさけみれば春日なる・・・・・」記念碑を写真に収める。この碑の反対の面に阿倍仲麻呂、この面は杜甫か李白か聞き忘れてしまった。
 
いよいよ西安城門北口から入城となる。あでやかな装束で古式豊かに式典があり城内へ。城内散策写真撮影など楽しむ。かって北の城門から遠来の客人を受け入れ、西の城門は西域シルクロードへの旅立ちの門として玄奘三蔵法師などを送り出したいにしえに暫し思いをはせる。ここは河上君の独壇場であり、名文があるので、駄文を綴るのは控えて、唐代装束のあでやかでそれでいてすがすがしい歓迎
者たちの写真をおくる。
 
夜は唐華賓館で名物の餃子など長安風味の宴で中国はじめての夕餐。思いつくままに書くので出てくる料理は順不同打になるが、シシカバブー、ヤンニュウパオモアア、ダーバンチー、チャオヅー、カオパオツー、・・・・・・・・と紹興酒、白酒をいただく。良い友と飲む酒は美味しい。52度の銘酒白酒にほろ酔い気分で中国庭園の長い回廊を渡り陝西省歌舞劇団の唐歌舞を観劇。兵馬俑衣装の舞、唐三彩が舞台に舞い降りたような木覆舞,古典楽器の演奏が印象に残る。ちゃんとビデオに収めておいた。全日空グランドキャッスルホテル泊。ホテルについて1Fレストランで先生を囲んで飲む。長い一日。
       続く
 



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