TOP > Community CONTENTS
    長江三峡の旅  6

                            別府 威徳 
 
上海の街
 
5月15日(水)最終日
 
09:00  専用バスで上海市内観光。上海14:00  JD888  で空路帰国の途へ
成田着18:20(所要時間2時間45分)の日程.
 
 
 いつ来てもと書くと、しょっちゅう訪れているように聞こえるが、敦煌へ旅、北京を中心に磁州窯など古窯蹟への時、三狭の旅、いずれもコースに上海が入っていた。それも駆け足で通り抜けるようにではあるが。
 
 
・・・・・・・・・・    上海はあまりにも都会的な姿に驚く。近代的な高層ビルが建ち並び、幾何学模様のビル、クリスタルグラスの壁面を光らす現代的なフォルムのビル、これは中国しかできないと思える形状の建物などが林立し競いあっている。それも毎年次々と膨張して変貌を遂げようとしている建設ラッシュの街なのである・・・・・・・。
 
・・・・・「・・・・・上海はいま、磨きをかけてメキメキと綺麗になっていく女性のようだ。・・・・・・・』作家高橋洋子が書いている。・・・・・・・言えていると思う事である。
 
・・・・・・日本中の40階以上のビルを集めた以上のものが上海にある・・・・・・・。
 
 ・・・・・・・・・・しかし上海にもたらされたこれだけの短期間の成功は決して順調に実現したものではない。おそらく浦東に立てられた高層ビルは200棟をくだらないと思うが、社会的な需要を計算に入れて計画的に許可されたものではない。ブームに乗じて無制限に土地を売って建築させたものであるから政府は大儲けをしたが、政府から租借権を買って高層ビルを建てた外資系資本は、家賃が1平方当たり1日2ドルから20セントへと10分の1まで大暴落して泣くに泣けない大損をさせられた。つまり華僑などの外資系資本の涙の上に
かれた浦東に他ならないのである・・・・・(邱 永漢)。・・(  
 
 
車で高速を走り市内繁華街にはいる。信号が変わると車もバスも自転車も一斉に走り出す。その中を人が縫うように渡っていく。器用に通り抜けていく。「・・・上海は三日来ないと道がわからなくなる ・・・・。』とガイドがいったが、市内を走るのも大変なようだ。
 
 
上海にはもうひとつの顔があるという。一歩旧市街に入るとかって魔都と呼ばれたどこか怪しげな表情も残る街である。高層ビルの谷間に残る低層の中国家屋が並ぶ。租界の面影を残すアールデコの窓からは洗濯物がはためいている。道の両側から色とりどりで、これぞ上海の名物である。
 
 
 
専用バスで予定の豫園の見学である。
 
 
 
 
 
・・・・・ 豫園は外灘の直ぐ南、かっての県城の城壁がめぐらされていた環状道の内側にある。租界ができ大都市になる前の上海は城壁に囲まれた水路の走る静かな街であった。町の中心がここ。豫園という庭園があった。この公園を取り巻いて市場だ開けた。・・・・・
 
 
・・・・・「・・・・・・なかの熱々スープをこぼさずいただ くのが、小竜包の通・・・・・・』『上海来るなら小竜包を食べずに帰れない・・・・・・・』『小竜包はどこでも食べられるが、是非豫園の点心専門店で・・・・・」・・・・
 
 
 市場に入ると大型百貨店、伝統的な店構えの衣料品店、陶磁器専門店などが並ぶ。中国らしい街並みを行くと広場に行き着く。四角い池のジグザグ回廊をわたると「湖心亭」。広場の一角の門を入ると周囲の賑わいと打って変わって静かな別世界が広がる。
 創建明時代の1559年、藩充端という官僚が営造を開始した。築山師張南陽がてがけた。玉華堂を中心に黄石を用いた景観は中国ならではの面白さと不思議さがある。
 日本の庭園造詣とどう切り結ぶか。
 「枯山水」と接点があるのか、考えてしまった。
 
(壺中楽・・・ここを通りり抜けると幸せになる・・・、子供とじゃれる虎雄の虎メスは玉とじゃれる、
三段の扁額は悲劇の歴史を物語る・・・・アヘン戦争で破壊され、大平天国の乱で、第2次大戦
による破壊、たび重なる破壊を乗り越えてきた証。1956年代修復、扁額を重ねた。写真説明)
 
竜は5つあって庭園の装飾のメインになっているが、帝王のシンボルなのだが、ここでは反権力の象徴に見える。
 
(上海新空港は端から端までどれ位の距離があるだろう、モダンな空港)
 
上海の市内観光は二時間あまり、市街地を横切り豫園を駆け足で通りぬけた。
上海は博物館はじめもう一度ゆっくり時間をかけよう。
 
上海発14:35分   JD888空路帰途へ。 成田18:20分。
 
 
 
 
長江の岸壁にへばりつくようにして生きる農家、船を浮かべ生涯を終える漁師、船曳きを生業とする土家族、公司の一人として必死に物売る人、ぼうぼう族、クリスタルグラスの中事務所でPCを発信する若者。
 
角の単位で生活する人、一食一元の人、一食十元の人。
 
5000年を経た器、2100年の生き様を見せる男性ミイラ、絞胎の器、恵王が送った編鐘。
 
信号とともに一斉にあふれ出るバス 車 自転車、その中を縫うようにわたる人々。
 
消えていく古いレンガの中国家屋、幾何模様の近代高層ビル。
 
湖水に消える1,208基の歴史遺産。
 
すべて中国。
 
 
無常のようで 心豊かな国。
長江は悠久、中国の懐は深い。魅力の尽きない国。
 
 
 
ご一緒したみなさん。
 
 
 
遠矢さんと二人で。後ろの建物はすべて水没する。
 
                                  終
 
                                (2002・5・29)



HOME

Copyright(C)2001 BEPPU Takenori All Rights Roscrvcd